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御津町商工会

★『熊野神社の藤』 (7-⑳)

74.pngむかし、平安時代の末ごろ熊野の信仰が盛んでありまして、皇室は特に崇敬の誠をいたされ、後白河法皇などは34回も紀州の本社へ御幸なされたとのことです。熊野の勢力は中央のみならず、これを奉ずる鈴木、榎本、宇井、生田、鵜殿等の熊野族によってそのご神徳は全国に伝えられました。東三河におきましては、西三河にややおくれて伝教せられ、まず、蒲郡と佐脇地方に根拠地を設け四方に発展してゆきました。
そして、蒲郡から御油方面に進出するにあたって、金割を経ますのでここに熊野神社を造営しました。只今の御油神社は、もと若一王子社と唱え熊野の神をお祭りしたものです。その伝播の様子がよく分ります。
さて、この熊野神社の藤ですが、別にこれらの歴史とはかかわりはないと思いますけれども、いかにも古木であり雅趣に富み、名木のほまれが高く、異議なく町の天然記念物に指定されましたが、残念ながら樹令来歴等はつまびらかではございません。

          広報みと❺文化財 昭和54年9月15日号より