当寺は広石字石堂野29にあって、山号は福寿山といい、相当中の寺院です。本山は豊川市八 幡 町の西明寺です。
創立は新しく享保19年8月(1734)でご開山は華山十賢和尚です。本尊様は観世音菩薩で、別に弘法大師もおまつりしております。外に境内には文化7年7月(1810)の建立にかかる石像の弥勒菩薩、また同じく石像の地蔵尊も安置してありますが、これは明治22年8月(1889)の建立になるものです。
現在無住のため荒廃しておりますが、大正3年の寺籍調によれば寺領として田畑4反6畝余、山林3反3畝余を所有していましたが田畑の方は農地解放で失われました。
字松下27に山林1反9畝18歩があり、ここには町指定史跡穴観音古墳が存在し、それについては町広報の昭和54年1月第162号に紹介しておきましたので略しますが、この古墳石室の奥深くに安置した観世音菩薩は当寺の境外仏としておまつりしてあるものです。
広報みと:❼文化財 (寺) 昭和60年11月15日号より