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御津町商工会

㊲ 正覚寺

91.jpg大恩寺に属する浄士宗の寺で、山号を瓔珞山といいます。創立は、享禄3年(1530)で、開山は、光誉久公上人であります。大正11年の報告書には、明応8年(1599)創立となっています。ご本尊は、1尺3寸5分の阿弥陀如来です。
伝説によりますと、寺の西方300mの山中に、白山神社がありますが、この附近には、持統天皇のお志によって建てられた、草壁皇子を祀る宮路寺がありました。
その後、度々の兵火によって焼失しましたが、新田氏が再興して観音寺と改めました。
寺域には六坊が配置され、百観音が祀られ、観音寺郷と呼ばれていました。天文12年(1543)小豆坂の戦いの余波を受けて、観音寺は焼失し、観音像は、牛久保の善光庵に移されたと伝えられています。―つだけ焼け残った久公坊が、現在地に移されて、正覚寺になりました。
白山神社の境内に残る古風な五輪塔数基は、草壁皇子供養のものとも伝えられます。また、神社西北の山中にある大門坂の地名は、寺の大門の跡とも推定され、広大な寺域を有する旧観音寺の境内を思わせます。
旧本堂の棟札には、元禄11年(1698)大工森下村源左衛門と書かれています。
門前の観音寺川は深い谷をつくり、深い山並を背負っています。近年砂防ダム工事が行われ、流路が整備されました。

       みと歴史散歩❷古道に沿って 平成12年2月発行より