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御津町商工会

㉖ 大岩寺

81-1.jpg山号は福寿山といい、曹洞宗の寺院で、本山は豊川市八幡町の西明寺となっています。
創立は新しく享保19年(1764)八月で、開山は華山重賢和尚です。本尊は観世音菩薩で、別に弘法大師も祀ってあります。ほかに境内には文化7年(1810)7月に建立された石像の弥勒菩薩、また同じく石像の地蔵尊も安置してありますが、これは明治22年8月の建立になるものです。
現在、無住のため荒廃していますが、大正3年の寺籍調べによれば寺領として田畑4反6畝余、山林3反3畝余を所有していました。
字松下27に山林1反9畝18歩があり、ここには町指定史跡穴観音古墳が存在し、この古墳石室の奥深くに安置した観世音菩薩は当寺の境外仏として祀ってあるものです。

※猿楽
東豊沢の集落から国府の西部中学方面へぬける峠付近の地名を猿楽といい、昔、元弘元(1331)赤坂落城の後一時行方不明だった楠正成が関東の敵情を探るためここにやってきて、家臣恩地左近太郎に猿廻しをさせ、自分は袋をかついで舞い踊り往来の人に見せたとのことです。また、『三河雀』などによれば、大恩寺近くに猿楽という砦跡があり、延命権兵衛という猿楽師が永禄6年(1563)大恩寺へ塩浜の寄進をしたことなどが、この呼称の由来と考えられます。

       みと歴史散歩❷古道に沿って 平成12年2月発行より