御津海岸をあとに国道23号の御津町浜田の信号交差点を北に進み、新幹線をくぐったすぐ右手に、御馬城址の石碑がある。
御馬城は、室町幕府の管領を務めた細川頼之の弟である頼有によ応安2(1369)年に築城されたと伝わる。その後、細川政信が城主となり、文明年中(1469~1487)には今川義忠によって攻め落とされたという。現在、城跡のなごりは何もないが、明治時代の地籍図の地割りなどによれば、この石碑周辺に城跡の区画が認められる。細川氏によるこの地域の支配については、御津神社の梵鐘の銘文にその名がみられるものの史料としては多くないため、そこにこの城跡の意義が見出せる。
豊川の歴史散歩:❸小坂井の町から御津へ 平成25年10月発行より