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御津町商工会

④五社稲荷社

107-1.jpg安養寺のクロガネモチをあとに西へ戻り、650m進むと、右手に五社稲荷社の大きな朱塗りの鳥居が見える。五社稲荷社は、文政13(1830)年に京都伏見稲荷大社より五神を勧請したのが始まりというが、延享4(1747)年に社殿が改築された記録(棟札)があるので、実際の創立はそれ以前にさかのぼると思われる。五穀豊穣・商売繁盛・福徳円満の神として崇敬され、正月には多くの初詣客でにぎわう。

五社稲荷古墳 【市指定史跡】
五社稲荷社の社107-2.jpg殿のある小山が、五社稲荷古墳である。昭和47(1972)年に墳丘の測量調査が実施され、直径32.5m、高さ4.75mの円墳と考えられている。昭和56(1981)年には、新しい社殿の建設に伴う発掘調査が行われ、木製の棺を埋葬したと考えられる跡が3箇所検出された。発掘調査では、古墳の築造年代を示すような遺物は出土しなかったが、埋葬施設が横穴式石室(古墳時代後期の6・7世紀に一般的な古墳の埋葬施設)でないことから、築造時期は古墳時代中期(5世紀代)と推定されている。豊川流域に広がる沖積平野を一望できる段丘の縁辺に立地することや、円墳としては直径が30mを越え大型であることなどから、この古墳に葬られた人は、おそらくこの辺りを治めた有力者であろうと思われる。

糟塚古墳 【市指定史跡】
五社稲荷奥之院の東隣りのヒノキ林の中にある直径17.5m、高さ2mの円墳である。調査が行われていないため、築造時期など詳細は不明である。

    豊川の歴史散歩小坂井の町から御津へ 平成25年10月発行より