御津高校の正門前から敷地の外側をめぐる道を西へ向かい300mほど進むと、穴観音古墳がある。
この古墳は、直径約20m、高さ約3mの円墳で、横穴式石室が良好な状態で残っていることでよく知られている。公園整備事業に伴い平成元年に発掘調査が行われ、外護列石(石垣状の石積み)をめぐらして墳丘を3段とした構造の円墳であることが明らかとなった。検出された外護列石の高さは、1段目と2段目が1~1.2m、3段目は10~20㎝(築造時は400㎝~50㎝と推定される)で、それぞれはぼ垂直に石積みされていた。古墳が造られた時期は出土品がないためよく分からないが、横穴式石室の構造や外護列石をめぐらすことなどから、7世紀初め頃と考えられている。この地域で大きな力を持っていた人物の墓と思われる。
豊川の歴史散歩:❸小坂井の町から御津へ 平成25年10月発行より