花ヶ池公園をあとに伊奈の集落を抜けて北西へ進む。白川に架かる新白川橋を渡って少し行った右手に佐脇刀祢太夫の墓がある。
佐脇刀祢太夫は、佐脇城最後の城主と伝えられる人物で、長篠の合戦で奥平九八郎に従って参加し討死したという。刀祢太夫の墓と伝えられるこの石塔は、それほど大きいものではないが、笠のやや強い反りと、塔身の扉の線刻がアクセントとなり、重厚感を感じさせる。最下部の「村中安全」と彫られた石材は、後に加えられたものである。
豊川の歴史散歩:❸小坂井の町から御津へ 平成25年10月発行より