JR小坂井駅をあとに東へ行き、国道1号に架かる橋を渡ると、左手に龍徳院という寺が見えてくる。龍徳院は、菟足神社神主であった川出宮内大輔良政が、天正14(1586)年に糟塚砦跡地に開いたと伝えられている。糟塚砦は、徳川家康が東三河地方進出のために築いたといわれ、境内の北辺には城の土塁が東西方向に約50m残されており、往時をしのぶことができる。残存する土塁や地籍図などから、70m四方の方形単郭の城であったと考えられる。
豊川の歴史散歩:❸小坂井の町から御津へ 平成25年10月発行より