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御津町商工会

⑱ 長松寺

佐脇神社をあとに18-1.jpg西へ200mほど進むと、臨済宗寺院の長松寺に出る。どんき祭りで知られる長松寺は、松嶺和尚により開かれたという。和尚は宋(中国)に留学し、台州西河において道観居士笵雎という医者から製薬の法を学んで日本に帰り、以来寺では混元丹と名付けた薬を、明治維新の頃まで作っていたという。

どんき【市指定無形民俗文化財】
毎年12月第3日曜日に行われる秋葉祭を18-3.jpg「どんき祭り」といい、地元の人は「どんぎ」とよんでいる。本堂内にある秋葉三尺坊は、遠州秋葉山(浜松市)より勧請したもので、堂前の灯籠に天明8(1788)年と刻まれているので、その頃に創建されたかと思われる。どんき祭りがいつ始められたか分かっていないが、ずいぶん以前より行われているようである。
祭り当日の午後、本堂では大般若経が読経され、その後大字区長を先頭にした行列が、東の明王院との間を往復する。この行列には、狐の面と装束をつけた二人、天狗と烏天狗の面と装束をつけた各一人が従う。狐が手にしている木の棒をどんき(撞木)といい、この棒につけたベンガラ(現在は赤の食紅を使用)を狐が子供たちにつけようとする。からかいの声や悲鳴、見物人の笑い声などが辺りに満ち、楽しい祭りの光景がくりひろげられる。

    豊川の歴史散歩小坂井の町から御津へ 平成25年10月発行より