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御津町商工会

⑧上ノ蔵遺跡

法雲寺を出て白鳥台地の縁辺下の小道を北東方向に400m進むと、姫街道の佃の信号交差点に出る。ここを北に進むと、右手に上ノ蔵公園が見える。この辺りは、区画整理事業によりかつての地形が大きく変わっているが、元は西古瀬川に侵食された低地であった。西古瀬川の西側には三河国府跡がある白鳥台地が、東側には三河国分寺跡・国分尼寺跡がある八幡台地がある。区画整理事業が行われる以前には、この2つの台地を結ぶように堤防状の高まりが存在していた(上ノ蔵遺跡)。この堤防状の高まりは明らかに人為的なものと考えられたため、その造られた時期などの確認を目的とし、平成8~10​​​​​​年度にかけて発掘調査が実施され、古代末頃(12世紀初め)には造られていた盛土遣構であることが判明した。この遺構が造られた目的ははっきりしないが、あたかも三河国府(国庁)跡と三河国分寺跡を結ぶような場所に位置しており、道路としての役割を果たしていた可能性もある。

   豊川の歴史散歩:❺三河天平の里から財賀・萩の山あいを行く 平成25年10月発行より