高膳寺を出て50m東に行くと、旧東海道の県道374号に出る。ここを北にまがり100mも進むと、大社神社がある。
社伝によれば、天元・永観(978~985年)の頃に三河国司であった大江定基が、出雲大社より大国王命を勧請したのが始まりともいう。神社では、応永7(1400)年の大般若経や天文24(1555)年の棟札を所蔵しており、古くから存在していたことが分かる。大社神社の石垣と土塀は、東海道の家並と美しく調和しているが、この石垣は棟札(建物の棟上げの時に、工事の由緒・律築の年月日・建築者などを記して棟木に打ち付ける札)によると、寛政6(1794)年に近くにあった田沼陣屋の石垣を移したもので、遠くは音羽川の上流からも石を運んで築いたという。国府村の総氏神であり、7月の最終の土・日曜日に行われる夏祭りは、国府祭りともよばれ盛大に行われる。
豊川の歴史散歩:❹東海道沿いの町を行く 平成25年10月発行より