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御津町商工会

⑲大橋屋

浄泉寺を出て東海道を北西に50m進むと、左手に大橋屋がある。
大橋屋は、正徳5(1715)~6年頃の建築と伝えられる赤坂宿の旅籠屋の建物である。旧屋号は「鯉屋」と称し、明治4(1871)年頃まで女郎置屋を営んだという。江戸時代中頃の建築様式をよく伝える建物である。

大橋屋の「そでうだつ」
大橋屋の2階屋根の軒端に、「そでうだつ」とよばれる三角に張り出した壁がある。うだつとは、宿場町など建物が接して建てられている場合に、隣家からの火事が燃え移るのを防ぐ防火壁として設けられたものである。江戸時代中期以降になると、本来の目的よりも装飾的な意味が重視され、自己の財力を誇示するために立派なうだつが設けられるようにもなった。やがて費用の節約などから、2階屋根より上の部分を造らずに軒下だけに壁を造るようになる。これを「そでうだつ」といい、防火や隣家との目隠し、盗難除け、雨の吹き込み防止などの効果があり、地域によっては、「猫這いどめ」「家切り」などともよばれている。

    豊川の歴史散歩:❹東海道沿いの町を行く 平成25年10月発行より