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御津町商工会

⑱浄泉寺

長福寺をあとに東海道を北西へ進み、赤坂紅里の信号交差点を通り過ぎてすぐ左に入る小道を行くと、浄土宗寺院の浄泉寺がある。
寺伝によれば浄泉寺は、もと宮路山医王院浄教寺と称した真言宗寺院で、赤坂町西裏山陵とよばれるところにあり、薬師如来坐像(市指有形文化財)を本尊としていたという。その後寺衰えたが、京都誓願寺の善誉上人(長沢の松平親常の3男である市蔵正長の弟)が、老齢になり故郷に帰住するに際し、浄教寺として再興しようと考が境内が狭いので、天正16(1588)年に兄の市蔵正長の旧邸内に寺を建立し、浄泉寺を興したという。またこの時に、本尊を阿弥陀如来像にして浄土宗に改め、薬師如来坐像は別に薬師堂を造って安置したという。山門を入ってすぐ右手にある薬師堂の外陣の天井には、市指定有形文化財の鰐口が吊るされている。江戸時代には、赤坂宿本陣がすぐ近くのところにあったため、本堂横にあった茶室に旅の途中の大名が立ち寄ったといわれている。
境内には大きなソテツの木があるが、歌川広重の浮世絵「旅舎招婦ノ図」に描かれたソテツと伝えられている。

    豊川の歴史散歩:❹東海道沿いの町を行く 平成25年10月発行より