登屋ヶ根城跡のすぐ南側にある高さ1~1.5m、周囲約230mの石垣で囲まれた畑が、長沢「フロノ下」の猪垣である。
猪垣は、野獣の農作物食害を防ぐ目的で、耕地の周囲を木柵・土塁・石垣などによって囲んだものである。この猪垣は石垣によるものであり、一部修理が施されているがほぽ完全に残っており、今でも十分その役目を果たす保存状態である。猪は一夜で田畑を食い荒らしてしまうこともあり、このような野獣から農作物を守ることは農民にとって死活問題であった。今に残る猪垣からは、先人の苦労をうかがうことができる。
豊川の歴史散歩:❹東海道沿いの町を行く 平成25年10月発行より