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御津町商工会

⑧ 薬師堂

慶長9年114.jpg(1604)の検地帳には、字御堂の名が載っており、現在もその附近を御堂と呼んでいます。貞享5年(1688)の村差出帳には、この堂の名は慈雲寺として登録されています。
戦時中に供出された小梵鐘にも、明治20年鋳造慈雲寺の銘がありました。本尊は薬師如来で、日光月光の両菩薩が侍立し、十二神将も安置されています。古来眼病に霊験あらたかであるといわれ、遠方からのお参りもあり、旧暦8月8日の例祭には、芝居や万歳なども催され、参拝の人で賑わいました。お祭には、新しく実った粟の餅を供えましたので、粟柄薬師の呼名がありました。今では10月8日がお祭です。
境内には、延宝元年(1673)の石灯籠や、年貢納入について生じた7人百姓の話を伝える、享保17年(1731)建立の石地蔵があります。
明治18年、上佐脇尋常小学校の校舎に充てられたので、本尊を始め一切を常光寺に仮安置し、大正初年に学校が閉鎖された後は、もと職員室のあった所を祭壇にして本尊を納め、教室は大字の公会堂に作り替えました。
昭和55年、地区再編農業構造改善事業の補助を受けて、集落センターとして面目を一新し、薬師様等はその中に安置されています。集落の活動拠点として、お薬師様に守られているわけです。

       みと歴史散歩❸音羽川の周縁 平成12年2月発行より