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御津町商工会

⑭ 本見寺

当寺は山号を東127.jpg林山といい、ご本尊は阿弥陀如来で臨済宗妙心寺派長松寺の末寺です。
明徳3年3月(1392)の創建で、この年号は北朝の後小松天皇のものです。この地方には北朝年号の棟札などが多く北朝の勢力が強かったことを思わせます。開山は天叟春公首座で、永享7年(1435)に示寂しています。
ご本尊は阿弥陀様でまたの名を子孕如来といわれています。
旧白川の流れを引き入れ、鎮守堂に京都の仏師定朝作と伝える弁財天をお祀りしています。
かつては法華寺といっていましたが、戦国の世に徳川家康が三方ヶ原の戦いでしょうか、敗走し身を隠すためにこの寺に来て住持に、如何なる寺か、と尋ねたところ法華寺と聞かされ、法華宗嫌いの家康は早々に退散したとのことです。このとき近くの鎮守堂の弁財天に参詣し武運長久を祈願し、持ち合わせの杯―つを献納して去ったといわれています。
世の変わるにつれ栄枯の波にさらされ寺は荒れ、弁天様も寺の世話人の辻市郎左衛門の屋敷に移され、30年ほどお祀りをしていたところ、あらたかな霊験を慕って参詣する人も多く、俗家に安置するのはもったいないというので、寛保3年(1743)再び寺へ還座されたということです。お祭りは1月と7月の15日につとまりました。内陣の西隅には弘法大師と毘沙門天がお祀りしてあります。

       みと歴史散歩❸音羽川の周縁 平成12年2月発行より