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御津町商工会

④観音堂

光明寺をあとに、東へ350m行くと、角に常夜64-1.jpg燈のある交差点に出る。ここを北に入るとすぐ右手に観音堂がある。
現在、観音堂は、光明寺が管理しており、以前は谷汲山美濃寺とよばれていた。

木造十一面観音菩薩立像【市指定有形化財】(見学できません)
像高159.9㎝の一木造で、11世紀頃の作と64-2.jpg推定される。用材はカヤ材と思われ、割れを防ぐために背面を内側に削っている(背ぐり)。頭上11の仏面があり、右手は手のひらを前にして体側に垂れる、いわゆる与願印の姿で、左手に蓮華水瓶を持っている。まゆじりと目じりは、平行にやや上がっている。
あごの形と首のふくらみや、正面の堂々とした姿に比べ、側面は胸や肩が偏平でやせ身である。台座の蓮弁に届きそうな長い衣のすそなどに、藤原期(平安時代中・後期)の技法がみられる。
言い伝えによれば、この仏像は谷汲山華厳寺(岐阜県揖斐川町)の本尊と同じ材で、同じ人の製作であるという。むかし、諸国を修行していた者が、この仏像をせおって当所に来た時、急に重くなり下ろしていったといわれる。

    豊川の歴史散歩豊川の町から牛久保の町へ 平成25年10月発行より