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御津町商工会

⑦上野第一号墳

31-2.jpg大和の大いちょうをあとに、西へ100mほど行くと、県道380号に出る。この道を南西方向に1.4㎞進んだ先の東名高速道路手前の信号交差点を西に入り、上野中どおり公園の角の交差点を南にまがる。やがて左手に西光寺が見えてくるが、この境内に上野第一号墳はある。
上野第一号墳は、直径約14m、高さ約2mの円墳で、発掘調査が行われたことがないため、詳しいことは分かっていない。現在、古墳の上には小社が祀られているが古墳との関係はない。かつてこの周囲には、9基の古墳が存在した(上野古墳群)が、現存するのはこの1号墳のみである。この古墳群は、全て円墳で、2~4号墳は昭37(1962)年に、市営上野住宅建設に伴う調査が市教育委員会により、5~7号墳は昭和39(1964)・41(1966)年に、東名高速道路建設に伴う調査が県教育委員会により行われた。その中でも5号墳は、直径24mと規模が大きく、墳丘の中段から円筒埴輪が66個体検出されるなど、他の古墳とは様相が異なる。また3号墳では、竪穴式石室から鉄製大刀や管玉(石製のアクセサリー)など、比較的豊富な副葬品が出土した。これらの古墳は、出土品から5世紀末~6世紀初めに造られたと考えられ、古墳時代後期(6~7世紀)に盛んに造られる群集墳(限られた場所に多く造られた古墳)の古い時期のものとして重要である。

    豊川の歴史散歩豊川沿いを行く 平成25年10月発行より