羽衣の松をあとに北ヘ1.2㎞ほど進んだ西島町の集落内に、西島神社がある。
西島神社はかつて稲荷神社とよばれていた。江戸時代にはかなり繁盛していたが、宝暦(1751~1764年)の頃に、当社の狐が豊川稲荷へ婿入り してから衰退してしまったという言い伝えがある。神社には、かつての繁栄をしのぶ137枚もの江戸時代の絵馬が残されていたが、平成になってからの火災で、桜ヶ丘ミュージアムで保管されていた15枚を除き焼失してしまった。現在の社殿は、火災後に建替えられたものだが、明和3~4(1766~1767)年に建てられた灯籠が残っている。
西島神社の絵馬
火災で焼失する以前に所蔵していた137枚の江戸時代の絵馬は、市内で最も多い数であった。火災の難を逃れた絵馬は、現在桜ヶ丘ミュージアムで大切に保管されている。
その中には、吉田(豊橋市)の円山派の絵師である、恩田石峰が描いたという「翁が馬を曳いている神馬の図」もある。
豊川の歴史散歩:❶豊川沿いを行く 平成25年10月発行より