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御津町商工会

⑨ 『大草神社』

104.png明治以前、大草には大須賀治郎兵衛(現 為司氏)の一統が氏神としてあがめていた天満宮があり、また大須賀弥作氏のご先祖が氏神として祭っていた諏訪社があり、大須賀加一氏のご先祖が氏神として奉斎してきた八幡社の3つがありました。諏訪社は字東郷3に、八幡社は字外新田39に鎮座せられましたが明治初年の1村1社の制にならいこの3社のうちで、当時最も声望のあった大須賀治郎兵衛の天満宮をもって村の鎮守社と定められました。明治5年(1872)大草神社と改称し同年正月村社に列せられたのです。ついで同6年3月私堂悉皆廃却令が発布されて、私有社などへの風当たりが強かったのでしょう、同年4月この2社は大草神社に合併され字神田22番地に鎮座となりましたが、大正12年11日夜から2日未明にかけて野宿していた乞食の失火により社殿はことごとく焼失してしまいました。このとき、時を同じうして牛久保町に大火があり大草消防組の人々はその帰途氏神様の火災を望見し、急いで駈けつけたとのことです。
そして、字東郷42にありました秋葉神社を合併してその地に仮遷座した上、大正12年2月10日字上竹82、83、84番地に遷宮いたしました。当時若苗であった松が今は欝蒼として繁茂しています。
火災により多くの記録を失ないましたが幸いに社掌の稲石太三郎氏が棟札写をとっておかれましたので、それによれば天満宮は永禄2年(1559)創立されたことが棟札に表わされています。祭神の菅原道真公は至誠純忠の士であり学問の神様として余りにも有名です。入学祈願者でにぎわいます。また、諏訪社は神社記によれば正保3年(1646)勧請とされていますが棟札写では承応2年(1652)新造立となっています。祭神は建御名方命で大国主命の御子で武神として有名です。八幡社は正徳6年(1716)の創立です。秋葉社は文政2年(1819)の勧請です。祭神は迦具土神です。防火の神として知られます。例祭日は大草神社は3月25日で明治40年に改正しました。諏訪社は8月27日、八幡社は9月15日ですがそれぞれ月おくれになっており、諏訪社と八幡社は各各の祭日に崇敬者によって祭事がつとまり参拝者には餅が施される習いです。

      広報みと❻文化財(神社 昭和57年3月15日号より