炭焼(平)古墳群をあとに県道21号を西ヘ1㎞進むと信号交差点がある。ここを北にまがり、左手にウォーキングセンターを見ながら400m進むと砥鹿神社奥宮の一ノ鳥居があり、ここから本宮山登山道に入る。
この本宮山登山道は、古くから砥鹿神社奥宮への参拝道として人々が行きかう道であり、現在では身近なハイキングコースとして多くの人が登山を楽しんでいる。道端には、参拝者の登山の目安となる町石が一町(約109m)ごとに計50基建てられており、古いものでは嘉永2(1849)年のものが4基みられる。
本宮山登山道の名所・旧跡
登山道入口の一ノ烏居をくぐり進んでいくと、11町目付近で鶯峠に出る。ここでは豊川市街の景色を眺めることができる。21町目付近で林道と交差するが、ここから28町目あたりまでは、岩の背を登るところもあり難所が多い。26町目付近の馬の背岩はその形状から名づけられたもので、登山道中の一の難所といえる。28町目にある日月岩には、弘法大師によると伝えられる日月の彫刻があり、37町目辺りの西側の谷を隔てた山腹に突起した岩はゑびす岩とよばれ、むかしその岩に行者が座して修行をしたと伝えられる。39町目付近には山姥の足跡とよばれる岩があり、その表面には足跡のような窪みが見られる。言い伝えによれば、むかし山姥がこの場所と石巻山に足を置き、豊川の水で髪を洗ったといい、登山者がその窪みに足を入れれば疲れが軽くなるともいわれている。40町目付近で林道と合流し、林道を50m進んで再び登山道に入ると、ここからは木や石の階段が続く。48町目あたりに奥宮の末社である荒羽々気神社があり、そこから200mほど登ると砥鹿神社奥宮にたどりつく。
豊川の歴史散歩:❻本宮山麓を行く 平成25年10月発行より