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御津町商工会

⑯豊川市民俗資料館

西漸寺をあとに東へ向かい、400mほど先のガソリンスタンドが角にあるつきあた271-2.jpgりの交差点を南にまがる。飯田線の踏切を渡り、一宮総合支所の裏手の道を左に入り、150mほど先の交差点を右にまがると豊川市民俗資料館がある。
豊川市民俗資料館は、民俗資料の収集・整理・公開などを目的とする施設で、2000点を超える民俗資料を収蔵している。なかでも豊富に取り揃う養蚕関係用具や三河土人形などは比較的まとまった資料群であり、これら民俗資料や県指定有形文化財の鳥鈕蓋付台付壺・海獣葡萄鏡などを常設展示している。また、当地域にかつてみられた釜屋式建物の一部を移築復元した展示コーナーもあり、年に数回の企画展も行われている。

鳥紐蓋付台付壺 【県指定有形文化財】
炭焼平14号墳で出土した須恵器という焼き物で、7世紀の中頃に古墳の副葬品として作られたものである。須恵器とは窯を使って高温で焼いた土器で、5世紀に朝鮮半島から焼成技術が日本に伝わり、6世紀以降になると古墳に副葬品として納められることが多くなる。中でも壺などに特殊な意匠を凝らしたものは装飾須恵器とよばれ、本例のように蓋に鳥形の鈕を持つものを出土する地域は、東海地方に限られている。鈕を含めた高さは33㎝で、この種類の代表例として高く評価されている。

海獣葡萄鏡 【県指定有形文化財】
海獣葡萄鏡とは、中国の隋・唐の時代に作られた銅製の鏡で、背面に葡萄唐草と動物の文様をもつことからこの名がある。日本では正倉院の御物として伝わるものや、高松塚古墳(奈良県明日香村)から出士したものが有名である。この鏡は昭和35(1960)年に大木町の森月1号墳で工事中に出土したもので、直径は13.8㎝ある。保存状態は良好で、県内の海獣葡萄鏡としては唯一の古墳出土例である。

    豊川の歴史散歩:❻本宮山麓を行く 平成25年10月発行より
 

豊川市民俗資料館

1974年昭和49年)に開館し、2018年平成30年)3月31日をもって閉館した。