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御津町商工会

㉙ 弥勒寺跡

84-1.jpg時日はさだかでありませんが、この字名の農地から古瓦片が採取され、昭和61年からの町史編さんに当たり、その鑑定を行って時代の推定がなされました。
蒲郡市博物館学芸員小笠原久和氏の仲介で軒丸瓦片の鑑定に当たられた奈良国立文化財研究所の毛利光彦氏によると、①時期は白鳳期末(7世紀末)、②この種のものは紀寺式といわれている。③周囲の文様は雷文といわれ、この時期の特徴の―つである。④複合弁と単弁が混ざっているが、パターンのオリジナルは保たれている。⑤弁の偏平なところは、この時期のこの地方の特色であろう。⑥この瓦の使われた寺院は、白鳳期から平安期まで続いたであろう、ということでした。
これで、ここに白鳳・平安期までさかのぼり得る古代寺院があったことが確認されたわけです。さらに、東豊沢の山を越えた豊川市西部中学校裏手の山ノ入遺跡が同時代の寺院跡であったことがすでに確かめられております。金野・豊沢に分布する横穴古墳群穴観音古墳と隣接する石堂野集落遺跡などを一望にする国坂峠に通ずる二見の道からの景観は、さぞすばらしかったことでしょう。

       みと歴史散歩❷古道に沿って 平成12年2月発行より