小規模事業者の活躍を応援します。

御津町商工会

⑤国府観音

守公神社を出て東に100m行くと、左手に国府観音がある。
国府観音はかつて東海道沿いにあったものを、戦後この場所に移したものである。小さな山門をくぐるとその左手に鐘楼があり、正面に観音堂と庫裏が並んでいる。観音堂には1寸8分(約5㎝)の聖観世音菩薩像が祀られているが、言い伝えによれば慶長年間(1596~1615年)に、国府村の平松某と白井某の二人が、天童のお告げの夢を同時に見て、不思議に思い天童の示した場所を掘ったところ、この聖観世音菩薩像が現れたという。
境内の西側には、一対の灯籠を配した供養塔がある。これは国府市開設を指示した片岡丈右衛門の供養塔である。丈右衛門は赤坂代官国領半兵衛の手代(部下)で、国府市は貞享2(1685)年に始められたという。現在国府市は、2月11日(建日国記念の日)に開かれにぎわいをみせる。

芭蕉句碑161-1.jpg
境内の南側のブロック塀寄りに、元禄2(1689)年に松尾芭蕉が詠んだ「紅梅や見ぬ恋作る玉すだれ」の句碑がある。国府村の俳人・平松喜春により天保14(1843)年に建てられたもので、この句の真蹟(芭蕉直筆の句)が陽炎の句とともに平松家に伝わっていたことから、芭追蕉150回忌の追福のため句碑を建立したという。なお陽炎の句碑は、寛保3(1743)年に建てられたものが、姫街道沿いの西明寺入口にある。

     豊川の歴史散歩:❹東海道沿いの町を行く 平成25年10月発行より